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2024年04月27日
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夢幻の薔薇 ver.Rouge

2008年07月07日
この物語は『罪薔薇/ユメニサクハナ』のひとつの解釈の形として書いたものです。
「絶対にこういう話なんです!」とかそういう訳じゃございません。
いわゆる二次創作みたいなものです(自作詞ですが
「こんな解釈もあるんだ~」位に軽く受け止めていただければ、と思います。

勢い任せにみっつめの物語、これで完結です。

読んで下さる方は「続きを読む。」からどうぞ。
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ずっと、見ていた。その光景を、この対岸で。
わたしは全て理解していた。
だって、あれも「わたし」だったから。

追い駆ける者、追われる者。
どちらも本気で、どちらも本気じゃなくて。
演技をしている。囚われたのは誰なんだろうか。
あの娘か、あの人か、それともわたしか。
きっと悟る事など出来はしない。
わたし自身も愚かな血を引いているから。
全てはそうであり、そうではなかった。
解っている様で、少しも解ってないのだ。

追い駆ける者。愛に狂う花。
あれは「わたし」だ。
馬鹿馬鹿しい、故に面白い。

追われる者。夢に溺れし花。
あれも「わたし」だった。
何も知らないふりをして、微笑む。

眺める者。対岸の冷めし花。
それが「わたし」だ。
これは夢のお話。受け入れて目を閉じる。

恋をしたわたし。
陰鬱な部屋から出られないわたし。
甘美な夢に逃げたわたし。
全ては同一、全部一緒なのだ。

叶わない想いを抱いて。
遣る瀬無い気持ちを胸に。
永遠を、夢に託した。

これは幻想。現実の残骸。
毎夜繰り返される夢物語、血の宴。
わたしはただひとりの観客なのだ。

全てが狂っていた。いつの日からか。
だけど、これは「夢」なのだから。

わたし達が選んだ、とびきりの「悪夢」
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