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2024年04月25日
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夢幻の薔薇 ver.Noir

2008年06月01日
この物語は『罪薔薇/ユメニサクハナ』のひとつの解釈の形として書いたものです。
「絶対にこういう話なんです!」とかそういう訳じゃございません。
いわゆる二次創作みたいなものです(自作詞ですが
「こんな解釈もあるんだ~」位に軽く受け止めていただければ、と思います。

ちなみに超短編な上、3部作の予定。

読んで下さる方は「続きを読む。」からどうぞ。
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わたしは詩を紡ぐ。
あの人の為、愛の言葉を。
触れて欲しい。もっと強く。
例えあなたを、どんなに傷付けようとも・・・

日に日に想いは色濃くなっていく。
この声があなたに届いたなら・・・
そしてわたしは今日も、詩を紡ぐ。

ふと、気が付くと、あの人がわたしを見ていた。
この声が届いたのかしら。
そっと近付いて来る。
ほら、もう、すぐそこまで。
そして、その指が、わたしに触れる。

甘い蜜の様に、赤い血が滴った。

その瞬間、わたしは狂ったの。
もっと、もっと、欲しい。
幾千の蔓が伸び、あなたを追い掛ける。
逃げる場所など何処にもない。
待って、待ってよ。お願いよ。

あなたの全てが知りたいの。
もっと、もっと奥まで。
あなたとひとつになりたい。
そうすれば、もっと美しくなれる。そんな気がする。

―――あなたの、全てが欲しい。

想いは、現実に変わり、無数の棘があなたを突き刺した。
肉は裂け、骨は砕けて、白い肌が見る見るうちに赤く染まっていく。

ああ、綺麗だわ・・・
まるで薔薇の花の様・・・

だけど、この痛みは何かしら?
こんなにも、満たされている筈なのに。

―――好きよ、愛してる。

接吻は甘い血の味がした。
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